私たちの商売で大変お世話になっている仕入先様の代表といえば、オーエスジー様だ。
オーエスジー様は常に私たちに専属のセールスを付けて下さり、毎日私たちの誰かとともにお客様のもとへ足を運んでいただいている。
私たちがこれを当たり前とせず、感謝の気持ちを一生抱いてゆくのは、商売人として至極当然のことだ。

そのオーエスジー様の研修に弊社社員が行かせていただいた際、豊川稲荷のお札(オーエスジー様の本社は愛知県豊川市にある。)をお土産にいただいた。
社員が手渡ししてくれたお札を見つめながら、触りながら、私は不思議な追体験につつまれた。
設立から５８年、そのうちたった１２年しかこの会社で働いていない私であるのに、オーエスジー様との商売、その歳月や道筋を、走馬灯の如く思い出していたのである。
「あぁ、そういうことだったのか・・・・ありがとう・・・ありがとうございます」、その歳月や道筋の隅々に、私はお稲荷様のご加護を感じていた。

私は見えないものを信じる。この感受性は私にだけあるものではない。
お墓参りに行くひとなら誰しもが、見えないものを信じているはずだ。
見えないものの存在を感じながら生きてゆくことこそ、私たち人間の霊的価値なのだと思う。
オーエスジー様からいただいた豊川稲荷のお札を封筒に仕舞うと、私は深くから来るため息のようにもういちど呟いた。
「あぁ、そういうことだったのか・・・・ありがとう・・・ありがとうございます」。