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中小企業で働く社員は、大企業で働く社員より未来に不安がある。
大企業で働く社員が給与をカットされたとしても、それほど未来に不安を感じないのではないか。
中小企業で働く社員が給与をカットされたら、間違いなくおおきな不安を感じ、淋しい思いにとらわれてしまうだろう。
中小企業で働く社員たちにこんな思いをさせたくない、その一心で、私たちの会社は、リーマンショックのときも、2012年不況のときも、給与カットもせず賞与も凍結せずやってきた。2012年度はベースアップも行った。
この仕事を通して幸福になろうとしてくれている社員への、それが会社の義務であり愛だと感じていたからそうしてきた。
また、実は法律上、退職金や賞与は必ずしも支払わなければならないものではない。
その時々の経営判断に応じて退職金や賞与は支払わなくても良いのだが、私たちの会社は、たとえ景気が悪くても、定年まで働いてくださった社員には必ず退職金をお渡ししたい、その一心で、退職金の積立も行っている。
この仕事を通して幸福になろうとしてくれている社員に、未来永劫安心して働いて頂きたいからだ。
給与や賞与、退職金は社員の方々にとっての権利ではない。
社員の方々の権利を守るために会社はそのようにやってきたのではない。
この仕事を通して幸福になろうとしてくれている社員への、それが会社の義務であり、愛であると感じていたからやってきただけのことだ。
それは親が子供を育てるのとよく似ている。
親は子供が、「育ててくれよ」と権利を主張してくるから育てている訳ではない。
もちろん、社員への義務や社員への愛は、お金だけではない。
こうやれば明るい未来がやって来る、その指針やプロセスを戦術レベルで指し示すことも重要な義務であり愛だ。
私たちの会社は、それをきちんと果たしている。
では、社員の方々の会社への義務とはなんなのだろうか?
社員の方々の会社への愛とはなんなのだろうか?
どんな社員が、会社への義務や愛を果たしていると言えるのだろうか?
社員の方々もいちどじっくりと考えて頂きたい。
<自分自身の会社への義務とはなんなのか?愛とはなんなのか?>
個人で、チームで、横のつながりで、時間をとって対話して頂きたい。
社員の方々にこの件で対話をお願いしたのは、お互いの義務を明確化・公共化し、お互いにその義務を果たし合い、認め合い、喜び悲しみ励まし合い、こころを一つに、私たちひとりひとりが成長を楽しんでゆきたいからだ。