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セールスと同行していると、なるほど!だからか!とセールスの営業力にあらためて気づかされることがある。
営業力のあるセールスは、<お客様が何を製造しているのか?その把握の仕方>に特徴がある。
たとえば営業力のあるセールスは、「ここは鋼鈑をつくっている工場なんです」なんて子供みたいなことは言わない。
「ここはテレビをつくっている工場なんです」なんて社会見学したあとの小学生みたいなことは言わない。
営業力のあるセールスは、「この建屋では主に○○自動車向けに、ロールをスリットした鋼鈑を三つの溶接ロボットラインで溶接加工してまして・・・・」というかんじで説明してくれる。
「この建屋には液晶パネルをカットする大型ラインが五ラインありまして、カットの際に出る粉塵を洗浄する装置に使用するろ過材を毎月○○万ほど納入してます」こんなかんじで説明してくれるのだ。
営業力のあるセールスの<お客様が何を製造しているのか?その把握の仕方>は、工場の建屋ごとの設備の説明から始まる。
建屋ごとにどんな設備があって、どんなことをしているのか、これが営業力のあるセールスの<お客様が何を製造しているのか?その把握の仕方>なのだ。
そんなセールスとお客様を回らせてもらっていると、私にはセールスがまるでバスガイドのように思えてくる。
営業力のあるセールスとは、皆さん優秀なバスガイドなのである。
私はセールスに尋ねる。
「お客様の仕事を完璧に把握してるね。バスガイドみたいだね。どうやってそんなに詳しくなったの?」
セールスはすこし驚いた顔をして言う。
「え、ふつうですよ。あたりまえのことでしょ」
「意外とお客様の仕事内容わかってないひとも多いんだよ」私がそう言うと、「ここになにが売れるんかなあとかって、工場の建屋ごとの設備を知らなきゃ考えること出来ませんから」そう言って鞄から一枚の紙をだし私にみせてくれる。
それは手書きで描かれたお客様の構内地図だった。
建屋ごとの設備やそこで何をしているのかをびっしりと書き込んだお客様の構内地図だった。