マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2011年2月

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弔辞

謹んで、当社吉岡興業株式会社営業部部長赤田憲治様のご霊前に哀悼の意を表します。

二月十四日午前一時ご逝去の報に接し、覚悟をしていましたとは言え我が耳を疑いました。
こうしてご霊前に立たせて頂きましても、まだ信じられぬ思いが致します。
浮かんでくるのは会社でのお元気なお姿ばかりなのです。

赤田部長とはじめてお会いしたのは十六年まえ当社新社屋の地鎮祭でした。
当時修業先で働いておりました私は、その日お休みを頂いて地鎮祭に参列しておりました。
昼食会で、新社屋の地鎮祭をいちばん喜ばれていたのが赤田部長で、そのとき唯一私に好奇心いっぱいに話し掛けてこられたのも赤田部長でした。

それから七年後、今から九年まえ、修業先での務めを終え、私は当社に入社致しました。
入社後、不良債権処理を命じられた私はそれが一段落した頃、会社を辞めることばかりを考えるようになっていました。
精神的に疲れきっていた私を、積極的に叱咤し励ましてくれたのは赤田部長でした。
「わしは亡くなられた会長に吉岡興業をまもっていってくれと約束されとんのや、頼むからつまらんこと言わんとちゃんとやってくれ」そう言って涙を浮かべながら私を抱きしめてくれた赤田部長のぬくもりは、生涯忘れることの出来ない私の宝です。

赤田部長は、仕事や礼節に厳しい反面、普段は話のわかる本当に懐の深い方でした。
そして常に会社を愛してくれていました。
当社の営業部長像を創ってくれたのも赤田部長でした。
営業部長という立場から言えば面倒臭いような地道なことにも、また一方では、ヒリヒリするようなトラブルの最前線にも、当然のように身を投じられてゆくそのお姿、そしてなによりもその精神力に、私をはじめ社員全員が心より尊敬の念を抱いておりました。

昨年私が社長にならせて頂いたおりにも、「いくら景気が悪かろうと、社長就任披露パーティーは絶対せなあかん。最後の仕事や思って、わしが実行委員長をやらせてもらう」、既にお体を相当悪くされていた赤田部長の気迫に押されるようにして、社長就任披露パーティーの開催が決定致しました。
披露パーティー開催にご尽力頂いたこの恩義も、終生忘れは致しません。

私たちには、まだご指導頂きたいことが沢山ありました。
もっと一緒に働きたかったです。
だから、この素晴らしい赤田部長を亡くされたご遺族の皆様の無念さが、私たちにも分かるのです。
ご遺族の皆様に対して、私たち社員一同は、及ばずながらも出来うる限りのお力になりたいと念じております。

いつもオシャレで、自由人で、正義感が強くて、ど真剣で、関わるひとみんなを好奇心いっぱいに愛してくれた赤田部長、私たちは赤田部長に、感謝しかしておりません。
また会いたいです。
そして、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

平成二十三年二月十五日

吉岡興業株式会社

代表取締役 吉岡洋明