マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2010年10月

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機械工具商社業界は、成熟期に入ってもう既にずいぶんが経つ。
この成熟期、既に商権を手にしているブランドならば、売上のベースとなる新しいナガレモノをつくれる可能性は十分にあるが、まったく新しく売上のベースとなる新たなブランドのナガレモノをつくるのは至難である。
新たなブランドで売上のベースとなるナガレモノをつくることが、頑張ったところでそうそう出来ないのが、成熟期の成熟期たる所以なのである。

だからセールスの方々に、『売上のベースとなるようなナガレモノをつくってこい』、だなんて掛け声だけの命令は無責任すぎると考えている。
もちろん、売上のベースとまではいかないようなナガレモノなら、つくることは可能だ。
しかしながら、それらは価格競争にさらされた粗利率の低い商売である場合がほとんどだ。

ならば、私たちはこれからこの成熟期に、どうやって利益の拡大を図ってゆくのか?
『拡大なんてしなくてもいいじゃないですか』、という意見もあるかも知れない。
利益の拡大を図らないのであれば、全従業員を10人位にし、採算のとれる顧客とだけ商売をし、セールスや業務をひとつの顧客に専任させ続ければ良い。
この場合、組織というものを私たちは必要としなくなる。
全従業員が10人位の会社に、部長や課長や係長などの組織は必要ない。
しかしながら、この激烈なる競争・淘汰の成熟期に、組織を持たない会社が立ち向かえるとは到底思えない。
こんなことは誰にでもイメージ出来ることだ。

では、私たちはこれからこの成熟期に、どうやって利益の拡大を図ってゆけば良いのか?
その答えは私たちがいまやっている取り組みのなかにある。
否、なかにある、というのは精確な表現ではない。
その答えは私たちがいまやっている取り組みの果てにある、これが精確な表現であろう。
だからこそ私たちは、セールスだけではなく総務も含めた全員で、こんなに一生懸命、いまやっていることに取り組めているのだ。