マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2025年4月(6/6)

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今では入って来たばかりの新入社員に20年前のエピソードとして話しても、「その人たちヤバいですね」「本当にそんな人いたんですか」と返されるのだが、本当にそんな社員たちがいた。
社員たちがいた、というどころか、そんな幹部社員ばかりの会社が当社だった。
20年前、私は彼らと、たった一人で闘っていた。
20年前、彼らはいわゆる先検収ということに手を染めていた。
彼らは期末、お客様からの架空発注に対して、仕入れゼロで2000万円の売り上げを上げていた。
お客様はその2000万円を当社にプールし、翌期に、その2000万円を使って、欲しいものを当社に納入させていた。
仕入れゼロで2000万円の売り上げを立てた当社は、そこから500万円くらいの法人税を納める訳だから、翌期、手元には1500万円しか残っていない。
それでもお客様は翌期、2000万円ぶんの欲しいものを当社に納入させていた。
これは完全に下請保護法違反で、法令に思いっきり引っかかる。
加えて、先検収をしたお客様は、自社の利益が2000万円減る訳だから、そのぶんの法人税を納めないことになる。
これは脱税で、これもまた、完全に法令に引っかかる。
20年前、入社したばかりの私は、その異常な行為に驚愕し、お客様からの先検収の依頼を全て断らせることにした。
当時の社長や役員、幹部社員たちは、「きみは分かっていない。お客様から先検収のお話をいただいて初めて、営業マンと言えるんだよ」「先検収を断ったら、期末の大きな売り上げを貰えなくなりますよ」「お客様に、相手にされなくなりますよ」「お客様が、他に声をかけることになるだけですよ」と、真顔で、したり顔で、さも常識人のごとく私に言った。「こいつら〇〇か! こんな民度の低い奴らとやってられるか!」そう思って私は会社を辞めたのだが、どうしても戻って来て欲しいと懇願されて戻って来てあげた。
今後お客様からの先検収の依頼を全て断る、ことを条件に。
減価償却で経理処理しなければならない設備を、一括経費で処理できる雑工具に品名を振り替えて見積もりを作成して欲しいといったお客様からのご要望も、脱税で法令に引っかかるから断らせるようにした。
これに対しても、「品名振替を断っていたら、もう設備案件の注文はいただけなくなりますよ」「先検収にしても、品名振替にしても、きみは商習慣というものを何も分かっていない」「お客様が、他に声をかけることになるだけですよ」と、性懲りも無くウダウダ言われたが、会社に戻って来てあげたんだからという理由で、全て断らせた。
それから2年もしないうちに、これらお客様の法令違反は、大手マスコミにスクープされ、これに加担していた同業他社は、なんとお客様に出入り禁止となった。
法令とは、この国の法律が命令しているという意味だ。
あれから20年が経ち、当社の民度も、世の中の民度も、確実に上がったと確信している。
これからも私たちは、法令を遵守し、“世のため人のために”の志を高く、深く、大きくし、会社を永遠に存続させていく。