マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2025年3月(4/5)

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新人を教育する者の心構えとして忘れてはならないことは、じぶん自身こそ最初はなにも知らなかった、まわりから教わってきた、という客観的事実である。

私たちの会社で働いている方々は、間違いなく、最初はまるで無知で、先輩や上司、同僚、お客様や仕入様といったまわりから、仕事を教わってきた。

しかし、入社して4年くらい経つと、まわりから仕事を教わってきた事実を、自己洗脳して忘れてしまうようなひとが現れる。

彼らはまるでじぶんひとりの力で成長したかのように振る舞い、新人には絶対に分からないような専門用語や業界の俗語を特に説明もせず多用して、新人に対してまさかのマウントを取ろうとする。

クールでクリアな人間から見たらそれは、恥ずかしくて滑稽で、民度の低い、胸が痛くなるような喜劇だ。

専門用語や業界の俗語を特に説明もせず多用して、新人に対してつまらないマウントを取ろうとするような、器のちいさい、背骨の細い先輩、上司、同僚にだけは、どうか切にならないでもらいたい。

昨年惜しまれて亡くなられた俳優 西田敏行さんのエピソードを共有しておきたい。
西田敏行さんがとても民度の高い方だったことが偲ばれるエピソードだ。

『梅沢富美男さんにとって一生忘れられない西田敏行さんの現場での心配り』

自分(梅沢富美男さん)には舞台役者としての自信はありましたが、テレビはまったく初めての世界。
ましてや、いきなり抜擢された新人です。
おとなしくしていようと思っていたところ、西田さんのほうから「西田敏行です。よろしくお願いします」と声をかけてくれたんです。
そして、撮影が始まるとスタッフを集めてこう言ってくれました。

「梅沢くんはドラマが初めてだから、テレビ用語はなるべく使わないでおこうよ」

僕が「そこ梅沢さんナメで行きます」(梅沢さん越しに撮ります)とか、「その椅子わらって」(その椅子どかして)という業界用語がわからず、おろおろしていたのを察してくださったんでしょう。
本当にありがたかったです。

これは、舞台役者の出だった西田敏行さんだからこその心配りだろう。
ならば、同じように私たちも、最初は無知だったことを忘れずに、新人に対しては、西田敏行さんのような高い民度で接していくのみだ。