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小説を読むことを大切にしている。
状況をつねに小説のワンシーンに変換して俯瞰できるようになれるからだ。
何かについて、他者から陰口をたたかれようが、それに一喜一憂せず、いちど小説のワンシーンに変換して俯瞰する。
そうすると、不正を重ねてきた社員をやめさせたことを、それを知らない他者に陰でどのように言われようと、気にならない。
そうすると、会社の方針に棹さす社員がやめていくことを、他者に陰でどのように言われようと、気にならない。
日本の平安文学であろうと、19世紀の外国文学であろうと、現代文学であろうと、古今東西の小説には、そのような社員がどのような末路をたどっていくのかが描かれている。
社員同士が不倫していたとしよう。
小説ならふたりをどう処分するか。
会社にとって代わりの利かない社員にだけ残ってもらい、他方には会社をやめてもらう。
そうすれば社員同士の不倫ではなくなる。
社員同士の不倫というのは近親相姦みたいで、人の道として気持ちがわるい。
上司に反抗的な部下や、部下を陰で批判ばかりしている上司がいたとしよう。
小説ならふたりをどう評価するか。
会社に貢献している社員のほうを高く評価し、貢献していない社員の評価は高くしない。
それがいちばん感情的でないクールな対応だ。
小説を読むことを大切にしている。
上述のように、状況をつねに小説のワンシーンに変換して俯瞰できるようになれるからだ。