新人教育をつねにしていると、おかげさまで、自身も最初は無知であったことを忘れないですむ。
だから新人に、「みずから自発的にもっと勉強しろ」とはとても言えない。
知識はいつも、仕事が教えてくれた。知識はいつも、他者が時間をつくって教えてくれた。じぶんひとりで学んだことなどひとつもない。
だからと言って、知識を身に付けることに受け身であることを推奨しているわけではない。
型番と価格だけで見積もりをしたり、なんでも営業アシスタント任せにしたり、メーカー任せにしたりしていると、ナガレモノだけの売上なら景気が良ければ上がるが、彼の向学心は低下し、知識は狭まり限定的となり、不景気なときはからっぽなセールスになってしまう。
そんなつまらないことにならないためにも、従来からの仕事を通して知識を身に付けると同時に、あたらしい仕事にみずからチャレンジすることであたらしい知識を身に付ける。
そうすることで私たちの向学心は高まり、知識はひろがりそのまま自信となり、不景気であっても稼げる豊かなセールスであり続けることができる。