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いまの若者は、昭和生まれの人間とちがって打たれ弱い。
よく言われることだが、それは、嘘である。
真実は、いまの若者に限って打たれ弱いのではなく、いまを生きる人間が全般的に打たれ弱いのである。
いまを生きる人間が打たれ弱いのは、時代であり、時代に影響を与える天地の氣に原因がある。
そしてそれが、いまという時代の時流なのである。
人間が打たれ弱い時流であるならば、それに乗っからなければ、事はうまく運ばない。
故に、この時流を知ってしまったからには、それに対応した組織にしていかなければただただ損だ。
人間が打たれ弱いなら、人間を打たないようにすることが大切だ。
ひとりひとりの能力や個性を信じ、成長を信じ、熱意を持って指導していく時代ではもはやないのだ。
できないことができるようになるまで成長を信じ、熱意を持って指導していくと、どうしても、人間を打つようなことになってしまう。パワハラやモラハラになってしまう。
そのようなリスクを取りたくないというのは、逃げでも卑怯でもなんでもない。そういう時代なのだ。
ひとりひとりの個性や能力を尊重し、あたたかく、しかしクールに評価し、ひとりひとりを適材適所に配置していく、これが時流なのだ。
そう。
いま、時流が組織に求めているのは、「個性や能力の成長を熱い気持ちで信じること」ではなく、「個性や能力の現状をクールに評価すること」なのだ。