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精確な表現にこだわるなら、「支える」と「助ける」はちがう。
「支える」とは、相手がいま出来ないことを出来るようになるまで待つことだ。
それは、渡り鳥がじぶんで餌をとることが出来るようになるまで、極力、餌を与えずに見守るという行為に似ている。
一方、「助ける」とは、相手が出来ないことを代わりにしてあげることだ。
それは、お腹を空かせた一文も持たぬ旅人に、飯を食わせ、一晩家に泊めてあげる行為以上の行為だ。たとえば、一生面倒をみてあげるとか。
そして、助けられた側は、むかし話よろしく、助けられたことに素直に感謝し、じぶんの得意分野で、助けてくれたひとに報恩する。
これで、つまり、助け助けられることで、万事うまくいく。いや、すでに、助け助けられることで、万事うまくいっている。
それはたとえば、こういうことだ。
出来立ての美味しい牛丼をすぐに安く食べたいけれど、じぶんでは作れない。作れないなら、牛丼屋さんに助けてもらって行って食べさせてもらい、それに対してお金を払う。
そういうことだ。