マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2020年9月(1/2)

マネジメント・メッセージ 一覧へ

危機的状況とは、無策のまま放っておくと、会社が取り返しのつかない、もしくは取り返すのにかなりの時間を要するダメージを受けることが予測される状態、もしくはいままさにダメージを受けている状態のことだ。
たいていの場合、それは気づかぬうちに発生しているか(いかに早く気づくか!)、もしくは予期せず発生する。この危機的状況を乗り越えるたびに会社は、強く負けない会社となっていく。

危機管理戦略とは、予期せず発生した危機的状況に翻弄されずに、リーダー各位があえて柔らかな物腰で、堂々と、リーダー同士の仲の良さを社員に伝えつつ、危機的状況をコントロール下に置くことだ。
たいていの場合、危機的状況というものは流動的なため、いくつかのストーリーを持って対処していくことが望まれる。 ストーリーは、悲観的に想像すればするほど、幾種類も手にすることが出来る。

危機管理戦術とは、以下を瞬間風速で、かつ処理的にならないように行うことだ。
・早期に縦串・横串関係者を集め、木を見て森を見ずにならないように、その危機的状況を打開する大義名分を共有する。大義名分はひとつでなくても良い。
・逆に、森を見て木を見ずにならないように、その危機的状況の最悪パターンのストーリーを最低でも3種類 (最悪の最悪・最悪・最悪なりにまだいける最悪、等々) ぐらいイメージする。
・幾つかのストーリーひとつずつを、パーツに小分けして書き出していく。
・書き出したパーツにどう対処していくか、考動をスタートする。
・考動はベターではなくベストを考える。ベターとベストの2パターンがあるのなら、ひとつにしないでベターとベストに小分けする。
・考動をスタートしたら考動をとめない。それが状況をコントロール下に置く唯一の方法。
・考動し尽くしたら、行動していく順番を考動計画する。
・考動計画が充分でないうちに行動しない。だからこそ、考動は瞬間風速で行う。

(補足)
・いったん関係者を集めたら、処理的にならないように時間をかけて意見を出し合う。
・危機的状況というものは流動的なので、ひとつの考動や計画に固執しない。
・考動をとめない。幾つものストーリーやそれを小分けしたパーツにどう対処していくかについて、考動が浮かんだら、即座にメモを取るか、自分にメールしておく。
・変化を恐れてはならないが、変化は最小におさえる。危機的状況について、縦串・横串関係者を巻き込み共有しておくことが望まれるが、変化せざるを得ない関係者は最少人員とする。
・危機的状況を縦串・横串関係者いがいの社員(社内)や社外に伝えることについては、井戸端会議的にならぬように、関係者に自粛してもらう。 状況をコントロール下に置くためにも、この自粛は必須。口の軽そうな関係者は、早期のうちに関係者から外す。
・関係者に意見を出させる場合は、彼ら自身の立場から、損得で語らせる。それが無責任の回避につながる。
・関係者同士の意見がまとまらない場合、いったん危機的状況を打開する大義名分に話を戻す。意見のまとめを、後日など後回しにしない。後回しにすると、その議論の深まり迄再度テンションを持っていくことに苦労する。