なにか施されたら、だまっているより、「ありがとう」と言う。

ただ「ありがとう」と言うより、相手の方(ほう)にむかって「ありがとう」と言う。

相手の方(ほう)にむかって「ありがとう」と言うより、それにひと言くわえて「ああ、ありがとう」と言う。

相手の方(ほう)にむかって「ああ、ありがとう」とただ言うより、頭も下げて「ああ、ありがとう」と言う。

頭も下げて「ああ、ありがとう」といちど言うより、「ああ、ありがとう、ありがとう」とありがとうを二度言う。

そのときだけ「ああ、ありがとう、ありがとう」と言うより、今後もことあるごとに相手にむかって感謝のことばを繰り返し言う。

今後もことあるごとに感謝のことばを繰り返し言うことに加え、なにも直接してもらったこともないのに、間接的にもなにも感謝することなどないのに、「ああ、ありがとう、ありがとう」と、他者に対して感じていく。

そういう人間を、天は放ってはおかない。