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論点のすり替えは良くない。
たとえ話だが、反社会的組織のパーティーに出たとする。
このことについて会社に詰問されたとき、この場合によくある論点のすり替えは、「ギャラは、もらっていない」だ。
論点をすり替える心癖のある者は特徴的な話し方をする。
「ギャラは、もらっていない」のたとえ話にもあるように、彼らは「~~は、~~」という話し方を多用する。
たとえばお客様から、「Aについて、ちゃんとやってくれているよね?」と訊ねられると彼らは、「Bについては、やりました」と言う。
そんなとき彼らはこう答えればいいのにだ。
「申し訳ありません。Aについて、まだ出来ていません。ただちに取り掛かります。今日17時までに回答致します」
それをその場しのぎの後回し根性で、悪気はないのだが、「Bについては、やりました」とつい言ってしまうのが彼らなのだ。
最初のたとえ話に戻る。
「ギャラは、もらっていない」というのが、会社に対してついたウソだったとする。
それがバレそうになったら彼らは会社に対して偉そうに、「記者会見を開かせろ」と言い出す。
一部上場のその会社は世間や株主に自社の調査の甘さを指摘されるのが嫌で、彼らに記者会見を開かせずに、とりあえず静観しようとする。
ところで反社会的組織のパーティーに出た彼らには、その会社の社長より遥かに高額な年収があり、彼らは社長に対しても普段から威張っている。少なくとも社長レベルと彼らは、対等だ。肩で風をきり、後輩にヤクザの大親分みたいな金の使い方をして悦に入っている。
「そもそもいつも威張っているあなた達がびびってしまってウソをついて、それがバレそうだからって、偉そうに正論をぶちあげて記者会見を開かせろって、会社はあなた達のオモチャじゃないんですよ」と、会社が記者会見を固辞するのも必然だ。
このたとえ話に出てくるギャラについても、記者会見についても、論点のすり替えに過ぎない。
知らなかったにせよ、すこし怪しいなとは感じていたにせよ、反社会的組織のパーティーに出たという、この一点について謝罪することが、論点のすり替えにならない唯一の道だ。
論点をすり替える心癖のある者は、このたとえ話を教訓に、ただちにその心癖を改めよ。