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リーダーの仕事とは、本部が指示していることを、現場に実行させることだ。そして、会社の思いを部下を使って実現することだ。
これがまったく出来ないリーダーが、もし子を持つ親だったとしたら、彼は子供に、「せっかく塾に行かせてやってるんだからもっと勉強しろ」だとか「もっと友達や兄弟と仲良くしろ」だとか「もっと家のお手伝いをしろ」だとか、そんなことを言う資格はない。
子供の仕事は、勉強と、友達や兄弟と仲良くすることと、家のお手伝いをすること、このみっつだ。
リーダーであるのにリーダーとしての仕事をしていない彼が、自分のことは棚にあげて、子供にもっと仕事をしろというのは、少々むしがよすぎるのではないか。
ところで、本部がリーダーに指示していることが、今正常にやっていることからマイナスアルファしたものであるようなことは絶対にない。もし本部からのリーダーへの指示が、今正常にやっていることからマイナスアルファしたものであったとしたら、本部はそのオプションとして、そのリーダーの降格か手当のカットを考えている。
本部が指示していることというのはいつも、今正常にやっていることにプラスアルファしたようなことばかりだ。プラスアルファしたようなこととは大体において、会社の未来に関することだ。会社の未来への備えや仕掛けに関することだ。
そこで大切なのは、事前に計画を立てることだ。未来に関するようなことは、事前に計画を立てなければ実行に移されることはない。
また計画を立てる際に注意しなければならないのは、本部からの指示のハードルを下げてはならないということだ。
たとえばの話だが、「Aというお客様が好調のようだからAに行け」というような指示が本部から営業チームのリーダーにあったとする。そのリーダーは部下にAというお客様にたった一回だけ行かせてそれで終わりにしたとする。
本部は後日リーダーに、「Aというお客様はその後どうだ?」と聞く。リーダーは、「特になにも聞いてません」と言う。本部はイライラしながら、「聞いてませんってどういうこと?行くように指示をしたじゃないか。フォローしてくれてないの?」とリーダーに問いただす。リーダーはだんまりを決め込む。リーダーが黙っているのに嫌気がさして、「まさか、Aに行ってないの?」と本部は暗い気持ちでリーダーに尋ねる。リーダーは、「一回は行ったと思うんですが、ハイ」と返答する。
こんなリーダーは、リーダーではない。もし彼が、会社からリーダーとしての役職や手当をもらっているのだとしたら、会社はお金を蒸発させてしまっただけだ。
再度、いや何度でも言う。
リーダーの仕事とは、本部が指示していることを、現場に実行させることだ。そして、会社の思いを部下を使って実現することだ。