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今年の夏、防衛大学校第〇〇小隊に所属するAさんに、メールで取材を受けた。
「五省」について論文を執筆するとのことで、民間企業で「五省」を採り入れている当社に興味をもっていただいたのだ。
「五省」とはなにかは、当社コーポレートサイトの理念のページに譲るが、戦前、海軍兵学校が採用した「五省」は、偏った軍人精神的なものではなく、きわめて一般的な内容であった。そこにあるのは、人としてどうあるべきかという自省自戒の精神であったのだ。
論文は、現代において、また民間企業において、「五省」が有効であるかについてこう結んでいた。
《「五省」は単に組織の目標を認識させる標語とは異なり、個人の内面の方向性を揃えることで、全体として有効なパフォーマンスが出来る状態にすることに繋がっている。これにより個人が組織にとって最大限に力量を発揮するとともに、各個人においてもコンプライアンスを意識することになる。これこそが、周囲の評価が組織にとっての鍵となる企業や、自衛隊・軍隊にとって、「五省」が必要とされる要素なのである。また、「五省」を行う環境も大きな影響因子のひとつである。(中略)その集団生活の一部として「五省」の唱和が組み込まれることで、海軍人として、また幹部自衛官としての自己を振り返り、理想像に近づくために追求を重ねる。同じ様に民間企業においても、会社の一員であるという意識のもとに「五省」に触れることが、個人と会社を繋げることになる。このように自己反省に留まらず、組織に求められている人物となるには何が必要か、各自の視点で出来ることから見直すきっかけを与えるのは、組織において一同で行われる「五省」の特徴であると考える》