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やっつけ仕事をしていても、結果的にうまくいけば、「きみは器用だなあ。帳尻はかならず合わせてくるもんなあ」と上司に褒められるのは、あなたが部下のうちだけだ。
あなたがリーダーや上司になれば、話は違う。あなたがやっつけ仕事をして、たとえ結果的にうまくいったとしても、あなたの部下はあなたを評価することはない。
「このひと、適当にやって辻褄だけ合わせてくるよなあ。なんか軽いひとだなあ」あなたは部下にそう評価される。
他者をひとつの方向に引っ張っていくリーダーや上司が、やっつけ仕事をしているようではダメだ。部下はリーダーがやっつけ仕事をしているのを見抜いている。
部下の仕事への情熱は、上司のそれの良くて8掛けだ。ということは、リーダーがやっつけ仕事をしていれば、部下はそれの8掛け、つまりプロとしての仕事が出来ている筈がない。
やっつけ仕事の負の連鎖が起こるのだ。
やっつけ仕事の負の連鎖は上司と部下とのあいだでだけ起こるのではない。
私たちの仕事の大半は、受け渡され、受け渡していくのが常だ。たとえば私たちは、お客様から案件をもらい(受け渡されて)、最速で、最適なメーカー選定を行い、メーカー様に声をかけていく(受け渡していく)。メーカー様から見れば、私たちから情報を受け渡され、メーカー様は社内の設計部署なり製造部署にその情報を受け渡していく。
この川上から川下への動きにも、やっつけ仕事の負の連鎖が起こるのだ。
商社として、プロとして、やっつけ仕事に目を光らせ、また私たちがやっつけ仕事をしないよう自身にも目を光らせ、やっつけ仕事の負の連鎖が起こらぬようにしていくことで、もし負の連鎖が起こっていればそれを断ち切っていくことで、お客様と仕入先様とのあいだで仕事を承っている私たちは存在価値を発揮していく。