組織の実力とは、上司の聴く力のことだ。

トラブルが起こったら、上司は部下から、その概要なんかではなく、そのトラブルの登場人物全員が、なにをし、なにを言い、なにを思っているのかを、一気に、余すところなく、時系列で聴く。
ロープレなら、上司は、部下がその商品・サービスをどのようなお客様に、どのような切り口で、どのような口調でプレゼンするのかを聴く。

聴くことによって上司は、結果という見えるものから、例えばトラブルや売上といった見えるものから、一見目には見えないものを感じていく。
たとえばこんなふうに、目には見えないものを感じていく。

「なるほど、だから彼は、いつもお客様から信頼されているんだ」「ああ、だから彼は、トラブルをしょっちゅう呼び込むんだ」「なるほど、そりゃあ彼は、あたらしい案件を取りつづけることが出来るはずだ」「ああ、だから彼は、案件を取りつづけることが出来ないんだ」 こうして部下の適性を見きわめていく。
これが組織の実力、つまり、上司の聴く力なのだ。