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営業三分の計は、私たち営業会社にとって、革新的な生産性の上げ方だ。
このやり方が、これからの時代の私たちに、一番適合していると確信している。
営業三分の計は、三國志の天下三分の計から着想を得ている。
魏呉蜀がそれまでひとつの天下を取るために争っていたのを、諸葛亮孔明が、天下はひとつではなく天下はみっつ、天下は三倍、その天下をみっつに分けて、魏呉蜀それぞれがひとつずつ天下を治め争いを鎮めようとしたのが、天下三分の計である。
営業三分の計も、従来ひとつの概念であった営業を、営業はみっつ、営業は三倍、“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことも営業、“現場調査や簡易な商談をする”ことも営業、“工事立ち会いをする”ことも営業、としたのである。
世間一般で言われるところの営業ならばやって当然のレベルのことであっても、それが苦手な部下に指導してさせるのは、いまの時代、上司にとっては大変損な役回りでしかない。
営業会社の営業ならば、“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことが最低でも出来ていなければ、世間一般で言われるところの営業のスタート地点に立てない。
しかしながら、世間一般で言われるところの営業のボトルネックは、“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことなのである。
この最低基準かつボトルネックである“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことが苦手な部下を指導していると、上司はかならず疲弊していく。
指導される側も、なんだか嫌になってしまうかも知れない。
100メートルを走るのに20秒かかってしまうひとに、15秒台で走れ、と指導したところで、無理なものは無理なのである。
“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”には才能がいる。
その才能とはつぎのみっつである。
①.?を素通りしない。
②.曖昧なハイを使わない。
③.マイペースな対応をしない。
このみっつである。
これらはかんたんなことのように見えて、かんたんなことではない。
なぜならこれらみっつのことが出来るか出来ないかは、才能に他ならないからだ。
さて、営業三分の計である。
営業三分の計は、上司を疲弊させることがない。
世間一般で言われるところの営業が苦手な部下を、指導することから解放されるからだ。
だからと言って、営業三分の計は、世間一般で言われるところの営業が苦手な部下を、切り捨てるやり方ではない。
部下には、彼らの不得意分野以外の営業で活躍してもらう。
“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”上司は、それが苦手な部下にじぶんの営業を手伝ってもらう。
上司は部下を使うのではなく、じぶんの時間と体と心を、営業を手伝ってくれる部下の行動管理に使う。
上司は部下指導という損な役回りから解放され、上司の営業を手伝う部下は上司に労われる。
果たして上司は、“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことに専念出来、会社組織として更に様々なお客様にお役立ちしていくことが可能となる。
これが営業三分の計による生産性アップのからくりだ。
営業三分の計は、野球における投手起用によく似ている。
先発投手がゲームをつくる。五回を二失点でおさえれば上出来である。
つぎに、先発がつくったゲームが崩れないように中継ぎ投手が投げ、最後は抑え投手が締める。
上司が様々なお客様から様々な案件をいただき続け、部下がその案件の現場調査や簡易な商談を手伝い、最後は部下がその案件の工事立ち会いをして締める。
中継ぎや抑えがいることで、先発はより多くの試合に投げることが出来、チームの勝ち星が積み上がる。
上司の営業を部下が手伝うことで、上司は更に“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことが出来、会社として受注が積み上がっていく。
先発も中継ぎも抑えも、皆、投手である。皆の年俸に遜色はない。
“様々なお客様から様々な案件をいただき続ける”ことも、“現場調査や簡易な商談をする”ことも、“工事立ち会いをする”ことも、皆、営業である。皆に営業手当が支給されている。
以上、私たちは営業三分の計で、生産性を上げていく。
苦手な不得意分野ではなく、互いに労いあえる分野で活躍を楽しみ、会社組織として更に様々なお客様にお役立ちしていく。
売上の大きな二本の柱が不振をきわめるなか、ベースアップを実施し賞与も支給する。
これを絶好の機会と前向きに捉えて、私たちは営業三分の計で生産性を上げていく。