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それは本当にいい時代だったのか?
右肩上がり時代、景気拡大に乗っかって勝手に売上があがっていた時代、目の前の仕事が勝手に仕事を教えてくれていた時代、だから「俺の背中を見て学べ」なんて全く意味のないことを言うだけで仕事を教えた気になれていた時代、お客様のところにノート一冊持って商品を小脇に抱えて訪問することが営業だと勘違いできていた時代、ナガレモノの受発注処理やメーカー主導のメーカー同行を営業だと勘違いできていた時代、それが本当にいい時代だったのか?
私は20年前から、それらを“つまらない時代” だと口に出して言っていた。
そのせいで、ずいぶん批判もされて来た。
しかし、今や、私の言っていたことに現実が追いついてきた。
そして今また、私はこんなことを言い始めている。
『営業は、能力の違いに合わせて分業することで、生産性が上がる。能力の違いを無視してしまって分業を怠ると、生産性が極端に下がる』
営業の能力には、3つある。
その3つどれもが、重要な仕事だ。
①.お客様に信頼されて、設備や工事、メンテナンスの相談を、お客様からゲットできる能力。
この能力が営業活動の肝であることは確かだが、この能力を持つセールスが、仕事の全工程をひとりで行うと、生産性は著しく下がる。
②.①でゲットした仕事が目の前にあれば、仕入先パートナーに協力してもらいながら、受注まで、お客様と商談を進めていける能力。
③.②で受注した仕事の施工に、最初から最後まで立ち会い、予定通り完工させる能力。
この3つは、どれもが重要な仕事だ。
メジャーリーグで言えば、①はスターター、②はセットアッパー、③はクローザーに当たる。
先発完投型のピッチャーが理想のように思えるかも知れないが、そんなことをしていてはピッチャーの選手寿命は短くなる。
今では、メジャーリーグでも、日本プロ野球でも、スターターもセットアッパーもクローザーも、同じように評価されている。
このような時代が、営業という仕事にも必ず来る。
まだまだ、この考えには批判が多かろう。
しかし、いまに見ているがいい。
このような時代に、必ず、なる。