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職場におけるパワーハラスメント防止措置が、中小企業の事業主にも義務化される。
パワハラの代表的なものとして、「過大な責務をあたえる」と「過小な責務をあたえる」というのがある。
前者は、「過大な責務」をあたえて従業員がつぶれてしまうと、パワハラ認定されるということだ。
後者は、「過小な責務」をあたえて従業員を職業人として否定していることが、パワハラに認定されるということだ。
前者の「過大な責務をあたえる」というパワハラについて注意すべきは、ある特定の従業員にとっては、キャリアを鑑みて当たり前に求められる仕事の量や質が、「過大な責務」に感じられる可能性があるという点だ。
「過大な責務」を防止する措置として一般的なのは、その特定の従業員に対して、求める仕事の量や質を配慮することだ。
しかしながら、特定の従業員から彼に出来ない仕事を取り除くことが、もうひとつのパワハラである「過小な責務をあたえる」につながるという懸念もある。
私たちの会社ではそのような特定の従業員に対して、仕事の量には配慮しても、仕事の質については配慮をしない。
その代わりに、質については周りがその従業員を救けていくようにしている。
救けるとは、手伝うとかフォローするとかではなく、付きっきりになってその場でやるのを見届けるか、代わりにやってあげるということだ。
これを私たちの会社では「ヘルパー制度」と呼んでいる。
「ヘルパー制度」の肝であるヘルパー(救ける側のひと)は、会社が任命し、中途半端なエアポケットが発生しないように細心の注意を払っている。