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世の中の妄想では『営業』会社には、なにかひとつの商品、たとえば百科事典セットを口八丁手八丁で押し売りし、会社にもどれば壁に貼付けてあるグラフの赤い帯を引っ張り、営業部長がそのグラフを指差してわめき散らす、そんな妄想があるのではないか。
しかしこれは完全な妄想だ。
これは『営業』会社での話ではなく、『販売』会社での話だ。
私たちの会社は『販売』会社ではなく『営業』会社だ。
だから私たちの会社には赤い帯のグラフなど壁に貼付けていない。
そのグラフを指差してわめき散らすような営業部長もいない。
妄想に惑わされてはならない。
『営業』とは、お客様の興味を聞き、引き出し、それが商売になるのかを見極め、商売になりそうであれば、それを商談まで高めてゆくことだ。
お客様に商品紹介するのは『販売』するためではない。
お客様に商品紹介するのは、お客様から興味を聞き、お客様の興味を引き出すためだ。
『営業』に必要なのは、たとえば百科事典セットのような『販売』する商品ではなくて、お客様から引き出したお客様の興味なのだ。
商品紹介をしてお客様からその商品の見積依頼を貰えなかったら、「ニーズがありませんでした」と言ってしまうようなひとは『営業』マンではない。
『営業』マンなら、商品紹介をしてお客様からその商品の見積依頼を貰えなくても、それをきっかけにお客様の興味をなにかひとつくらい引き出してくる、それが『営業』マンだ。
そして、引き出したお客様の興味を、それが商売になるのかを見極め、商売になりそうであれば、それを商談まで高めてゆく。
これが私たち『営業』会社の仕事、『営業』なのである。