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7:2:1の法則をご存知だろうか。
仕事のスキルが10あるとすると、そのうちの7はじぶんがした仕事の経験によって、そのうちの2は他者からのアドバイスによって、のこりの1は勉強によって形成されるという法則だ。
つまり私たちの仕事のスキルは、経験7、アドバイス2、勉強1、によって形成されているという訳だ。
これを7:2:1の法則という。
この法則が言わんとしているのは、先輩・上司のアドバイスを聞いたり、じぶんで勉強したところで、3にしかならないということではない。
じぶんがした仕事の経験のみによってスキルを形成しても、7までしかいかない。
何よりも大事なのは、そう、お分かりの通り、仕事のスキルの実に7割が、じぶんがした仕事の経験によって形成されるということだ。
さて、こんな疑問がわいてくる方はいないだろうか。
「じぶんがした仕事の経験によって仕事のスキルが形成されると言うけれど、そもそも仕事のスキルがなければ、仕事って獲得できないんじゃないの? 仕事が獲得できなければ、経験しようにも経験できないんじゃないの?」
この疑問は、<卵がさきか? ニワトリがさきか?>という命題に似ている。
<卵がさきか? ニワトリがさきか?>という命題の答えは、<ニワトリがさき>であるのと同様に、<仕事のスキルの形成がさきか? 仕事を獲得することがさきか?>という命題の答えはもちろん、<仕事を獲得することがさき>である。
仕事のスキルがなくても仕事は獲得できる。気持ちだけで獲得できる。
お客様に対して、絶対にお役立ちしてみせます、という気持ちを示すだけで仕事は獲得できる。
これは精神論ではない。精神論ではなく、自然界の摂理だ。
お客様に対して、絶対にお役立ちしてみせます、という気持ちを示して獲得した仕事の経験が、私たちの仕事のスキルを形成していく。形成された仕事のスキルが、瞬く間に次の新しい仕事を呼び込んでくる。その仕事の経験が、さらに仕事のスキルを形成していく。
こうやって、仕事のできるひと、できないひとの二極化は進んでいくのである。7:2:1の法則とは、実に無情で、実に面白い法則だ。