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有名な妄想に、「過去は変えられないが、今を変えることで、未来が変わる」というのがある。とんでもない妄想だ。
この妄想、ひとによってはとても耳心地が良いみたいだが、甚(はなは)だ過去を軽視し過ぎている。
皆には、この妄想を脱ぎ捨て、真実をよく見つめてもらいたい。
では真実を共有しよう。
「過去をよく見つめ、どう解釈するかによって、今を変えられる可能性が生まれる。その可能性を活かし、今を変えることが出来れば、未来も変えることが出来るかも知れない」。
これが真実だ。
過去は過ぎ去るものではない。過去は過ぎ去らずに、常に今を形づくっている。今は過去の延長線上にあり、今は過去の集大成なのだ。
過去を過ぎ去るものととらえているようでは、真実を体感することなど出来ない。
未来をより良くしていくために、過去をよく見つめ、どう解釈していくか。そこを通っていかなければ、乗り越えていかなければ、より良い未来のために、今を変えていくことなど出来ようはずがない。必然的に、未来をより良くしていくことも出来ようはずがない。
また、自身の過去とは、自身が覚えている記憶のことだけではない。
親や祖父母やご先祖様といった過去も、今の自身を形づくっている。
こう言われて、いったい何を言ってるの? と思われる方は、自身が、ご先祖様や祖父母や両親のたまものであることを失念しているだけだ。
今とは過去の集大成であり、過去の最前線が今なのだ。
「過去は変えられないが、今を変えることで、未来が変わる」と言って、過去を軽視するひとは、妄想にとらわれて真実が見えていない。
過去を抜きにして、今も未来もないのだから。過去を解釈することなしに、今を変えていくことなど出来ないのだから。今が変わらなければ、未来も変わらないのだから。
繰り返す。
「過去をよく見つめ、どう解釈するかによって、今を変えられる可能性が生まれる。その可能性を活かし、今を変えることが出来れば、未来も変えることが出来るかも知れない」。
これが真実だ。この真実を共有しよう。