マネジメントメッセージ

マネジメント・メッセージ 2018年7月(1/4)

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私は社会で働いている方としか主に接していないので、身近にそういう方はいないのだが、意外といわゆる主夫の方が増えていると聞く。
しかし、家計を支える女性が失職したり、給料が激減すれば、必然、家事を担当している男性も働きに出るだろう。

営業マンもそうだ。
担当するお客様の売上が下がっている、もしくは下がることが予想される、としよう。
必然、営業マンならば、そのお客様を深堀りし、今まで買ってもらったことのない商材・サービスをPRしていく。
必然、営業マンならば、新規開拓 (既存のお客様での横展開も含む) していく。

売上が下がれば、売上減率以上の利益の減率が発生する。
売上が10%下がれば、利益は50%下がるかも知れない。20%下がれば、利益がなくなるかも知れないということだ。
私たちの会社では、「原価が10%上がるのと、売価が10%下がるのとでは、どちらが利益にダメージを与えるのか」といったお題で、値引きのおそろしさを実際の数字を使って説明済みだから、売上が下がることが利益に甚大なダメージを与えることは分かっているはずだ。

さて、景気やお客様の方針によって売上が下がってしまってから、深堀りや新規開拓 (既存のお客様での横展開も含む) をしているようでは遅すぎる。
深堀りや新規開拓 (既存のお客様での横展開も含む) は、今やらなければならない現実的な仕事だ。
私たちの会社にも、「忙しいから出来ないです」と言い訳していたひとが昔はいたが、言い訳は聞いてあげるが、認めるわけにはいかない。
私たちの会社には、深堀りや新規開拓 (既存のお客様での横展開も含む) のための販促ツールが充分用意されているのだから、張り切ってやってもらわねば。

ここからが、重要なお話になる。
深堀りや新規開拓の大切なイメージとして、【会社対会社】のイメージを持つことが挙げられる。
よく「人間対人間」の人間関係を最重要視しようとする妄想家を見かけるが、「人間対人間」なら、キャッチセールスぐらいの金額のものしか買ってもらえない。私たちは会社のお金で仕入れ、お客様は会社のお金でそれを仕入れる。だから高額な商品・サービスも買ってもらえるのだ。これが【会社対会社】のイメージの一例だ。
また、「人間対人間」を最重要視する妄想家は、自分を好いてくれるお客様のところにしか行かない。営業マンなら、一番に訪問すべきは、自分を好いてくれるお客様ではなく、売上が上がりそうなお客様だ。当たり前のことだ。家計が苦しくなった一家の主夫が、「あの職場には気の合わないひとが多そうだから、もう少しのあいだ就活したい」などと悠長なことを言っていれば、近いうちに離婚されるだろう。上司・リーダーの頭を悩ますのも、この手の部下の方々だろう。
そして最も私たちが共有しなければならないことは、「人間対人間」を最重要視しようとする妄想家に共通する大トラブルの発生率の高さだ。
彼らのような妄想家には、自身が給料を頂いている【会社 (私たちの会社)】 、仕事を頂いている【会社 (お客様)】 、というイメージが欠落している。つまり、【会社対会社】のイメージが欠落している。
彼らは、回答遅れ、発注忘れ、納期遅延等々を、まるで季節行事のようにやらかし、お客様や自社に、大きなダメージを与える。そして長期間、お客様や自社をしっちゃかめっちゃかに振り回し、奔走させ、生きた心地でなくさせる。
彼らのような妄想家を撲滅するためには、上司・リーダーが、私たちの会社の根っこにある「考え方」と「感じ方」を、部下に周知徹底することが必要不可欠だ。
私たちの会社は、「考え方」と「感じ方」、この両輪で経営しているのだから。

そこで心配なことを告白したい。
稟議書についてだ。
恥を忍んで告白するが、後から見れば誰にでも分かる稟議書の書き間違え、添付ミスが、上司・リーダーからのチェックを受けずに、つまりノーチェックで、そのまま会社に提出されることがよくある。
これでは、部下の「考え方」や「感じ方」がぶれ始めたとき、ノーチェックであっても不思議ではない。
【会社】組織として経営しているから、私たちの会社には、上司・リーダーが存在する。
その上司・リーダーが、【会社】組織を形骸化させているようでは、部下の【会社対会社】のイメージが薄くなっていくのは、必然だ。
そのようなことにならないように、稟議書をしっかり読み、その間違いを正し、そして部下への「考え方」と「感じ方」の周知徹底を、上司・リーダーにはして頂きたい。