鎌倉時代、政治は北条氏の独裁によって腐敗し、武家社会は崩壊の危機にありました。北条氏はあらゆる御家人を倒し、足利家も狙われていました。そんな時代の中、足利貞氏の子尊氏が生まれました。平氏と源氏の戦いも多く、子供の尊氏もその戦いを目の当たりにしていました。その頃悪党と呼ばれる盗みや畑を荒らす者が現れ、北条家の家来さえも含まれるほど世の中が荒れ、人々は恐れていました。尊氏が成人した頃、内管領の長崎円喜の下人が僧侶に斬りかかった姿を目撃し、助ける為に刀を抜きました。その時助けてくれたのが日野俊基でこれが彼との出会いです。父貞氏はこの件で長崎氏に謝罪し、尊氏は自らの非はないと主張したことで口論になり、尊氏は鎌倉を出て母の故郷である京へ向かいました。京の都で公家の日野氏に会い、後醍醐天皇が北条氏を打ち倒し、政治を正したいと考えていることを知ります。北条一族が自らの繁栄の為、人々を蔑ろにしている姿が許せないからです。日野氏は尊氏に「足利氏が立たねば、北条氏は倒せぬ」と足利氏の力が必要だと言います。日野氏は反幕府勢力を募っている中、六波羅探題に勘付かれ殺されそうになったところを尊氏が助けます。北条氏が実権を握る世を変えたいと懇願した人物が奮闘した時代でした。